アナタ二ハー、「アクセント」ガ、アーリマース

アメリカ人は訛りがあることを「アクセントがある」という。例えば、「あいつ、ひどいジャパニーズアクセントがあるな」とか。これは、僕がいままで理解していた「アクセント」という単語の使い方とはちょっとズレている。

今まで僕が教わってきた英語の先生たちは、「ここの音節にアクセントを置きなさい」とか、「もっと強くアクセントしなさい」とか、「強調」の意味でこの言葉を使っていたような気がするし、一般的な日本語としての「アクセント」もそういう意味だと思う。だから、一年生の冬休みに、僕が仲の良かったアメリカ人に、俺の英語のどこを直せば良いと思うという質問をしたとき、「アクセント」と言われてピンとこなかった。「お前の英語はまだ強いジャパニーズアクセントがあるから、もう少しアメリカンアクセントを真似てみろ。」

たぶん日本人であれば誰でも、日本語を話すアメリカ人の真似ができるだろう。ステレオタイプなアメリカ人の話す日本語は、「ワッターシハ、アーメリーカジーン、デース」となる。タッタータタ、タータタータター、ター。どうせなら大げさな身振りもつければ、さらにそれらしくなる。音階にすれば、ずいぶん高く上がったり、低く下がったりする。音楽のできる人なら、そのまま音符に落とせるかもしれない。これが「アメリカンアクセント」である。

次に自然な日本語で、「私はアメリカ人です」と言ってみる。タタタタ、タタタタタタタ。もちろん派手な身振りはつかない。抑揚は抑え目で、リズムは一定。これが「ジャパニーズアクセント」。確かに言われてみれば、自分が喋る英語は、自分が喋る日本語に似ている。

どの音が高くてどの音が低いか、どの音を伸ばしてどの音を短く詰めるか、どこで息を継ぐか。「アメリカンアクセント」には標準形があって、本来高くする音が高くならなかったり、息を継がないところで息を継いだりすると、例え文法が正しく、例え個々の単語の発音が合っていても、「あれっ」となる。逆に、標準に則って喋ると、多少文法や単語の発音が間違っていても、アメリカ人にはすんなり聴き取れる。

このことに気付いてから、アメリカ人同級生の話し方に意識をするようになり、ときにはぶつぶつと真似をした。その甲斐あってか、近ごろは「ジャパニーズアクセントがないですね」とお世辞を言われることが増えた。もっとも、アメリカ人の同級生に会うと、「ワッターシハ、ニホンジーン、デース」みたいに馬鹿にされ続けているが。

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