英語で推薦状を書いてください

英文の推薦状を二通用意してください、と言われて頭を抱えない日本人受験生が果たしてどれくらいいるのだろうか。そもそも日本では(形式的にではなく真面目に)推薦状を書く、という文化はないと思うし、しかもそれを誰かに英語で書いてもらう、となると外資系企業にでも勤めていなければ無茶な話だ。

いったいそんな日本の事情を、アメリカの大学のアドミッション連中はどこまで理解しているんだろうと、いつか質問してやろうと思っていて忘れてしまった。ごめんなさい。いずれにせよ、日本人受験生は皆同じような悩みを抱えており、倫理と現実の狭間で苦しむことになる。僕の個人的な見解で言えば、上司なり誰かなりに日本語で書いてもらって、自分で英訳、で最後のチェックをしてもらう、程度はアリじゃないかな。少なくとも、入学後にアドミッションに何か言われたら(まず言われないと思う)、日本語の推薦状と英訳を他の日本人学生に見せれば、証明してもらえるし。本物の通訳の翻訳サービスは高いし。

こんなことを言っておいて何だが、実は運良く僕は英語に長けた仕事関係の恩師が二人いた。いや、むしろ、推薦状はこの人にお願いしたいな、と思っていた二人が英語に長けていたわけで、そんなことはどっちでもいいが、いずれにせよ僕はラッキーだった。

志望校を固めた時点で、「英語で推薦状を書いてください」とお願いした。まあ、進路相談と称して飲み屋に呼び出し、いついつまでに書いてくれ、と厚かましい頼みごとをした挙句に、飲み代までも払わせたのだから、迷惑もいいところだ。もちろん、仕上がったものを受け取るときも、お礼がてらお酒をご馳走になった。

「もう誰から頼まれても英文の推薦状は書かない」とは、二人のうちの一人が僕に言った言葉だ。普段から長文の英文を書いている職業の人なら別だが、A4一枚の英文を書くのは骨が折れる。ましてや、それが部下なり後輩なりの人生を左右するとなっては、おろそかにできない。しかも、締め切りが近づくと、「仕上がりはどうですか?」なんてうるさく電話がかかってくる。

そんな苦労のお陰で、僕は締め切りまでに出願することができ、そのうちのいくつかからは合格通知ももらった。感謝の念を表すために、僕は日本に帰国すると必ず、二人の恩師に近況報告に行く。わざとではないが、たいてい僕の財布に現金は入っていない。

Yさん、Kさん、本当にどうもありがとうございました。

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