憧れのキャンパスライフ(学校訪問)

きれいにデザインされた大学のホームページを見ると、緑一色の芝生の上に置かれた白いベンチで、分厚い教科書を広げて語り合う在校生の写真が、たいてい三枚くらいは見つかる。学生グループは、人種も性別も程よく交じり合っており(素晴らしきダイバーシティ!)、背景にはギリシャ風の、あるいは超モダンな校舎が写っている。空は広く、深い青。よし、来年の夏は僕もここにいるぞ!と、スクリーンのこちら側の現実世界で、気分は盛り上がりまくるわけです。

とは言え、僕も賢い消費者。テレビショッピングの番号をダイヤルする前には、慎重に考えます。ほんとに、これ、宣伝どおりなの?

というわけで、行ってきました、学校訪問。出願した七校のうち、学校訪問をしたのは四校。これから先二年間の無収入生活を考えると、広大なアメリカ大陸に散らばるすべての学校を回るほどの予算は組めず、地理的に近い四校に的を絞った。

学校訪問には、二つの目的がある。ひとつは視察。自腹を切って二年間を過ごすのだから、なるべく自分の好きな環境で勉強したい。MBAプログラムの違いはあまりピンと来ないが、キャンパスの違いは直感できる。在校生に会えれば、裏話も聞きだせる。もうひとつは受験。わざわざお金と時間をかけて太平洋を渡ってくれば、アドミッションへの熱意アピールになる。電子メールでやり取りしかしたことのない受験生と、実際会ったことのある受験生なら、そりゃ後者を厚遇したくなるのは人情ってものだ。強引に押せば、その場で面接とかもしてくれるらしい。

今になれば、ずいぶん勿体無いことをしたものだと思うが、当時の僕は第一の目的を強調し過ぎていた。いや、むしろ、第二の目的に気づいてはいたものの、勇気もないし、スキルもないし、どうやって目的を遂げればいいのか分からなかった。日本からアドミッションに電話して、アポイントメントを取る。在校生とのランチをアレンジしてもらう。学内ツアーをお願いしてみる。アメリカ流の就職活動を叩き込まれた今であれば、どうやって効果的に学校訪問をするかが分かる気がするが、そのころの僕はまだまだウブで、度量の面でも、英語力の面でも、そんなことはできっこないと思っていた。

結局、訪問した四校のうち、アドミッションに会えたのは一校のみ。あとはキャンパスをうろうろして、校舎の中をちょっと歩いてみた程度。まあ、ちょうど冬休みで、どの学校もタイミングが悪かった、というのが僕自身の言い訳。ちなみに、アドミッションと会ったその学校からは合格通知が来て、あとの三校はあっさり落ちた。でも、最終的に進学を決めたのは、遠くて学校訪問に行かなかった東部の学校だったんだけどね。

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