エッセイの技術

英語で文章を書く、という経験を、僕はこれまでしてこなかった。中学時代は受験用の単語や文法を詰め込むだけだったし、高校では面白くない文学作品をひたすら逐語訳させられた。大学にいたっては、授業の半分は英語で歌を歌うという有様だった。社会人になっても国際業務に従事することもなく、たぶん人生通しての英作文(訳文じゃなくて)の量なんてのは、ワードのA4サイズで数枚程度だったに違いない。

まずは「英文エッセイの書き方」みたいな本をあたってみる。ふんふん、なるほど。エッセイっていうのは、週刊誌のコラムとは違うモノなのね。へえ、色々と決まりごとがあるんだ。まず結論があって、論拠を挙げて、また結論。あれ、昔どこかで読んだことがある話だぞ。そう思って本棚を探したら、ありました。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
バーバラ ミント / / ダイヤモンド社

以前、上司に薦められて買った本。アメリカ人のライティングの先生が書いているらしいので、そりゃ当然といえば当然か。日本語訳なので楽に読めます。

さて、理論は分かった。じゃあいったいどういうエッセイがいいエッセイで、どういうのが悪いエッセイなのか。アマゾンでこんな本を見つけ、パラパラと読んでみる。あまり深入りすると自分のエッセイが例文に寄りそうで、あくまで参考程度にとどめた。

Essays That Will Get You into Business School
Daniel Kaufman / / Barrons Educational Series Inc

一通りのインプットを終えたら、あとは書く。書く。書く。例えば志望動機とか過去の功績とか苦手な上司とか、良くあるお題についてはすべて書き上げた。学校ごとの出題形式に応じて長くしたり切り詰めたりできるように、とりあえずワード1ページ程度で。書いて悩んで削ってスペルチェックして文字数カウント。パソコン以前だったら、気の遠くなるような作業だっただろう。

もう満足、となるまで推敲を重ねたら、アメリカ人の友人(日本語OK)に校正をしてもらった。今日飲まないか、と声をかけて新宿のアイリッシュパブに行き、ギネスおごるから、ちょっとこれ添削してくれないかなあ、と赤ペンを渡す。うーん、この表現は自然じゃないね、とか、これはよく意味が分からない、とか、前夜必死に仕上げた作品がたちまち真っ赤になる。aとかtheとかの冠詞にいたっては、ほとんど間違い。悔しい気持ちを噛み締めつつ、後日リベンジを誓う。こんな調子で、書いては飲む、を繰り返していると、すぐに出願期限は迫ってくる。

ところで、今になってもaとtheは苦手で、何か資料を作るとたいてい上司に指摘される。毎回毎回、やれやれ、何で俺様が誤字チェックまでしてやらなきゃならんのだ、みたいな顔をされるので、ちょっと辛いのです。

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